キッチンの中に黒カビ。原因は?【社長ブログ】
Instagram等のSNSで、最近良く見かける「高気密高断熱の家を建てた筈なのに」
キッチンの中にカビが生えた
キッチンキャビネット内部に生えた沢山の黒カビ。お風呂に黒カビもハッシュタグでSNSに沢山出てきます。ラウレアホームで建ててくれたお客様からこの問題は1件もないですが、せっかく新築してキッチンも新品なのにこれは悲しい・・・写真をSNSに出されてる方で、シンクキャビネット裏に黒カビびっしり!しかもカビ集合体が盛り上がってボコボコというのもありました。どうして!新築なのに・・・カビ臭で居ても立っても居られない!
キッチンに黒カビが生えてしまったお施主さんは、ビックリして家を注文した会社に電話します。住宅会社の担当の方が見に来て状況を確認。引き出しの裏面に黒カビびっしり。湿気が凄いのも分かるでしょう。すると、なぜか給排水施工業者を呼んで配管のやり直しをさせます。配管施工不良=水漏れが原因の湿気による結露→からのカビ発生と決めつけてしまうのでしょう。呼ばれた水道工事屋さんはキッチンキャビネット内の配管を外して組み直し。コーキング剥がしてやり直してみたり。
でも直らない
直る訳がありません。シンクキャビネット内に溜まった水滴・水蒸気は配管の欠陥工事やシーリング不良ではないからです。次にその住宅会社担当さんは、システムキッチンのメーカーにクレームを出し、カビが大量発生したシンクキャビネット部材(引き出し?)を交換させます。商品が原因と判断したのでしょう。結局新品に交換しても直りません。カビ発生の原因を解っていないからです。
簡単に言うと黒カビの発生する環境が変わらないから直らない。きちんと仕事した給排水工事業者さんと商品交換させられたキッチン製造メーカーはたまったものではありません。
家を売るプロなのに知らないというのは本当に怖いのです。悲劇の連鎖。同じシステムキッチンなのにAという家に入れたら全くカビは生えず、Bの家に置いたら黒カビだらけ。
それって「商品自体に問題は無い」という事。黒カビはそのカビの胞子が増える事で大量に発生するのですが、それには一定の条件があり①温度と②湿度と③養分(栄養)と大きくはこの3つ。それらがカビの好む帯域になると爆発的に増えます。増殖する要因が揃えば、よくある「抗菌仕様」などあまり意味がありません。
ではそのキッチン下のカビが生えないようにするにはどうしたら良いでしょうか?先程のカビが好む増殖条件をその逆にすれば良いのです。①②③を好条件に揃わないようにする。
カビ胞子が増殖できない環境に整える
だからといって、乾燥してる冬なのに
カビが生えるから加湿器を使わないでください
とかそういうのは駄目です。ちゃんと乾燥時期には加湿器を使い快適に暮らしつつ、システムキッチン内部にカビが生えないようにしてあげないといけません。
ヒントを言うと、部屋をちゃんと暖めてキッチン内部まで熱が届くようにする。暖房は床暖房だけ=対流が起こらないので駄目。空気が動く暖房方式にします。熱を空気に乗せて運ぶという事。
次に湿度。カビが生える時はもう結露してるか結露しそうな程、空気中の水蒸気がパンパンになっているので、そうならないようにします。相対湿度を下げる=「露点温度から遠ざける」です。除湿しちゃ駄目ですよ、部屋加湿してるんですから。キッチンにカビが生えてるのは結局
寒い家って事です
次に③の栄養。これは人が暮らしている上である程度仕方ありません。お皿や調味料の器を洗ったとしても分子レベルで存在するのでココを断つというのは難しいです。神経質になると除菌しまくったり逆に薬剤に頼って危険なのでやらなくて良いと思います。
カビは見た目だけでなく、黒カビは健康被害にもなる物質。お風呂の床に生えた程度であればお風呂の洗剤とシャワーで流してしまえば綺麗になりますが、システムキッチン内だとそうはいきませんし、食事に関する部位ですから防カビ剤を散布する訳にもいかないでしょう。
なのでそもそも発生しない条件にしておかないといけないのです。
家を造るプロだけでなく、住んでる人も勘違いしている温度・湿度・結露の関係。
この時期(冬)に洗濯物を室内干ししてカビが出るからと除湿機を使ってる人が本当に居ます。意味が分かりません。
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モデルハウス1にプルメリアが咲きました。この時期、家の中で咲いてるのはレアですので良かったら見に来てください。