建材フェアに行きました
先日、東京ビッグサイトで開催された建材フェアに足を運んできました。
会場に一歩入ると、やはり空気が違います。
新しい素材、新しい技術、新しい発想。
住宅業界に身を置く者として、こうした場に定期的に足を運び、
自分の目で見て、触れて、感じることはとても大切だと改めて思いました。

日々の業務に追われていると、どうしても自社の標準仕様や、
いつもの商材、いつもの納まりの中で思考が固定されがちです。
けれど、プロである以上、「今あるもの」だけで完結してはいけない。
常にアップデートし続ける姿勢こそが、お客様に対する責任だと私は思っています。
今回、特に見てみたかったのは、LIXILからの新しいバスルームの提案でした。
これまでの浴室というと、浴槽固定のユニットバスが当たり前。
あるいは造作でしっかり防水を施し、固定された空間としてつくるのが常識です。
ところが今回出展されていたのは、
入りたいときだけ設置できる、防水生地で構成されたカラフルな浴槽。
言葉だけ聞くと、正直「どうなんだろう?」という印象もありました。

しかし、実際にブースで説明を受け、
そして自分自身がその浴槽に入ってみると、なるほどと唸らされました。
固定観念が崩れる瞬間です。
浴室は“重たい設備”でなければならないのか。
浴槽は“常設”であるべきなのか。
空間は“用途固定”である必要があるのか。
そうした前提を、一度フラットにして考え直させてくれる製品でした。
もちろん、すぐに自社の標準仕様として採用する、という話ではありません。
耐久性、清掃性、衛生管理、温熱環境との相性。
高気密高断熱住宅の中でどう成立させるのか。
検証すべきポイントは多くあります。
けれど、「新しい発想に触れる」ということ自体が大きな価値なのです。
他にも、新しい断熱基準に対応した新製品サッシもじっくり見てきました。
窓は住宅の性能を左右する最重要設備の一つ。
断熱性だけでなく、結露リスク、フレーム材質、気密性、施工精度。
カタログスペックだけでは見えない部分を、担当者に細かく質問しながら確認しました。
今後の住宅設計に取り入れられそうな商材も、数多く見学できました。
すぐに使うものもあれば、数年後に花開くアイデアもあるかもしれません。
けれど、こうした種を自分の中に蒔いておくことが、将来の提案力に繋がっていくのだと思います。

今回のフェアに誘ってくださった建材屋さんにも感謝です。
現場だけでなく、こうした機会を共有してくださるパートナーがいることは本当にありがたいことです。
そして、昼食時の偶然の出会いも印象的でした。
たまたま隣の席になった工務店さん。年齢は近いのか少し上か。
何気ない会話から始まりましたが、とにかくエネルギーに満ちている。
建築市場が縮小していると言われる今、
新築着工戸数も減少傾向にあり、資材価格も高騰し、決して楽な時代ではありません。
そんな中でも、
「まだまだやれることはある」「工夫次第で価値は届けられる」
と前向きに話されていました。その姿勢が、とても清々しかった。
数字や市況だけを見れば、不安になる材料はいくらでもあります。
けれど、目の前のお客様に本気で向き合い、学び続け、進化し続ける工務店は、必ず必要とされる。
そんな当たり前だけれど忘れがちな原点を、思い出させてもらいました。
展示会は、単にモノを見に行く場ではありません。
人と出会い、刺激を受け、自分の現在地を確認する場でもあります。
今回の建材フェアは、新しい商材との出会いだけでなく、
自分自身の姿勢を見つめ直す機会にもなりました。
学びを止めないこと。
変化を恐れないこと。
そして、出会いを大切にすること。
これからの家づくりに、しっかりと活かしていきたいと思います。
【著者情報】

有限会社 ラウレアホーム
代表取締役 岡野孝祐
一級建築士 ・宅地建物取引士・ VOC測定士 ・第二種電気工事士
一年中半袖で快適に暮らせる「天井の無いお風呂がある家」を造っています
メディア:「となりのスゴイ家」出演
壁断熱工法・屋根断熱工法・自動給水加湿器・3つの特許を取得
趣味:サーフィン・海外旅行・登山・写真・動画編集


