お風呂の天井つけるのやめました 2【社長ブログ】

Threads（スレッズ）のリプ欄で沢山いただいたコメントや質問。

「だめだコレ」　
「欠陥住宅」　
「家中カビだらけでしょ？」
　「ありえない」

書き込みしてくれた方は、天井なしのお風呂を「見てもいない、そもそも知らなかった」ので当然のアクションだと感じています。

返信レスで喧嘩するつもりもないですし、これも仕方のない事。

人は自分が思う常識と違う事を突然振られると拒絶反応を示してしまうものなのです。

批判、質問は良いんですけどね。あまりにも酷い言葉のものは非表示にさせていただきましたが、逆に関心を持ってくれたと嬉しく感じています。

お風呂の天井なくしました

のスレッドは、肯定派・否定派に分かれ議論まで行われるプチ炎上状態になってますが、そこで説明すると大荒れしそうなのでそっとしてます。

どうして私達ラウレアホームが作る家、特にお風呂に黒カビが生えないのか？これについてブログで説明しておこうと思って今書いています。

お風呂の天井ありなしの話の前に、黒カビについて知っておきましょう。

僕もこの家に住み替える前、天井有付、ルーバー出窓有の普通のユニットバスの家に住んでいました。家族構成は4人。私と妻と子供2人。

四季を通し、夏冬関係なくその風呂場には黒カビが常に発生し、石模様のツルツルした化粧壁パネル、バスリブという目地スリットの入ったプラスチックの天井板、

照明器具の中、壁や天井のコーナーに打たれたシーリング。それら全てに黒カビが発生。（画像はイメージです）

特に酷いのが窓のサッシ下と壁上に設置した換気扇のカバー。枠本体とその周りにカビがびっしり。

この憎っくき黒カビ。不気味な色もですが、増えてくると臭いも相当なもので気持ち悪いったらないですよね。

これを駆逐しようとすると、塩素系のカビ洗浄剤を使って洗い落とすという清掃家事になるのですが、ここは僕の当番でした。

壁や浴槽周りは良いとしても、天井にカビ洗浄剤を吹付けて洗い流す作業は結構キツイ。

このカビ（真菌）の胞子は呼吸で人間が吸い込むことにより、アレルギー性疾患のアレルゲンとなって、気管支喘息や皮膚炎・花粉症・鼻炎などを引き起こしたり、真菌症の原因となることも医学的に分かっています。

塩素系洗浄剤って服につくと色が抜けるんですよね。デニムを履いたまま作業をして1本ダメにしました。なので、風呂カビ駆逐をする際はそれ以降、お恥ずかしい話ですが素っ裸です。

カビ洗浄剤はつけ置きというか、容器のノズルで泡状に吹付けて数十分経ってから洗い流すので、裸に水中眼鏡ゴーグルという凄い格好でカビに向かって噴射。

天井に向けた時、少なからず身体に付着してしまうのでその時は瞬時にシャワーを温水にして頭から被ります。

意外と床には黒カビがないので、床で流れている分にOK。この風呂掃除、冬は寒いのでカビ洗浄剤が効くまでの時間、つけ置きというかその間シャワーは流しっぱなしで体にかけてます。

薬剤が効いてきたら今度は肢の長いブラシで天井や壁をゴシゴシ。身体にかかるので、シャワーでお湯かぶりがら、窓は開いていても塩素とカビ分子が肺に吸い込まれて命懸けです。

お風呂中をお湯で流し、セーム革という吸水性シートで吹き上げ、掃除終了。本当に嫌な掃除でした。

で、この辛いお風呂掃除。数ヶ月に1回やってくるんですよね。カビをやっつけてもやっつけてもまた生えてくる。それは仕方がない事だと思っていました。

体験談はこのくらいにして、先ずはこの黒カビについてもう少し深掘りしてみましょう。

黒カビの前に、カビとはどんなものなのか。カビは正式には「真菌」と言いまして、本来土壌の中で他の微生物と共存し植物などに寄生しています。

真菌は成長すると胞子を空気中に飛散させて、塵や水蒸気などに付着して空気中を移動し、あらゆる物に付着し増殖します。

この付着増殖した胞子は、自分達が増えられる好条件の場所に到達すると爆発的に増えていきます。

お風呂で目にする憎っくき黒カビは「クラドスポリウム」という真菌で、

このように黒カビは色や臭いが嫌なだけでなく、やはり人にとって良くないものという事がわかりますね。ちなみに浴室タイルの目地が黒くなっているカビ（真菌）は、１㎠あたり

４０億個の胞子

の量になるそうです。

黒カビの元は土壌にいる胞子だと冒頭説明しましたが、家に持ち込む物や服に付着し家の中に侵入します。

当然、窓を開けた窓からも湿気という水蒸気に付着し一緒に入り込みます。

お風呂だけでなく、リビングにもキッチン、廊下、寝室、収納とどこにでもカビ胞子は存在してるという事になります。

では、どうしてお風呂や窓枠の下側に黒カビが見えてくるのか？ここがポイントです。

カビには爆発的に増えていく生育条件というものがあるんですね。その条件とは

1・温度

2・湿度

3・エサ

この3つが、生育に適した条件になると増えていくのです。

その条件とは

温度は20℃から30℃、

湿度、正しくは相対湿度が70%以上、

餌は人が出すフケやアカ、タンパク質、石鹸カス、等。

どうでしょう？この3つがバッチリ揃っているところ。そこに大量増殖をして真っ黒に生育しているのが黒カビです。

まさに、浴室、結露したサッシの下、条件によってはキッチンシンク下の収納とか。発生して見える量からも黒カビさん達が一番好きば場所がお風呂場だってわかりますね。

生育条件が揃った環境な訳ですから、いくらカビを除去してもまた

生えてくるのは当たり前なのです。

お風呂は沢山カビだらけなのに、リビングには存在を確認できない。どうしてでしょうか？

3つの条件が揃ってないからです。

1の温度について、20℃から30℃ですから通常快適に暮らしていれば黒カビが好む条件ですよね。先に3のエサの話をしますが、リビングにだって掃除をしなければ人が出す髪の毛、フケといったタンパク質がある訳です。

ただお風呂みたく洗い流してスポット的に溜まっているわけじゃないのでエサとなる要素も少ないでしょう。お風呂場大きくと違うのは

2の「湿度」です

リビングで相対湿度70%なんて、夏でもそうそうないですよね。真夏でエアコンかければ26℃、相対湿度60%くらいの筈です。冷房運転で除湿されるんですから。

じゃあお風呂場の黒カビを生えさせない為にどうすれば良いのか？リビングとかの居室と同じ環境にしちゃえば良いんですね。

で、お風呂の天井を取っちゃう。みなさんここで大きな勘違いをしていますが、お風呂が出す湿気なんてたかが知れています。

湯船とシャワーが出す水蒸気はキッチンでお湯を沸かた時にやかんから出ている湯気よりも少ないのです。

でもこれを達成するには条件があって、浴室の室温が暖かいこと。湯気が見えない状態まで持っていくことが必要です。

飽和水蒸気量というのですが、空気は暖かければ暖かいほど水蒸気（湿気）を目に見えない大きさで含む量を多くできます

。結露して水滴になるとたちまちカビが好む条件になるので、お風呂場をそうさせない。

冬であれば近くに暖房機が必要です。浴室にある暖房換気扇でも良いのですが、常に点けている訳じゃないので、お湯張りをした時既に壁天井が濡れていればカビ発生しやすい条件になるのです。天井が塞がって蓋をされていると、乾きも凄く悪い。

お風呂を入る前後に温めるのではなく、常に暖かい環境を作る。脱衣場エアコンをつけっぱなしにします。

脱衣場でエアコン暖房運転で作られた熱は、脱衣場を暖め浴室を暖め、吹き抜けた天井を通って他の部屋に到達します。カビが増殖できないない環境がどんどん広がっていきます。

冬は乾燥してるからわかるけど、梅雨時期のジメジメした季節はどうなの？って思いますよね。

2020年6月の梅雨時期に、我が家の天井のないお風呂でお湯張りをした際、部屋の水蒸気量がどれだけ変化するのかを動画にしたものがあるので良かったら視聴してみてください

でもこの天井なし浴室をやるには注意しなければいけない事があります

・断熱ラインの防湿が完璧にできている。

・隙間相当面積C値は0.15以下。

・家の断熱性能も6等級以上が必須

・換気システムがセントラルダクト式

・地中熱が取得できること。

まだまだ約束事があるのですが、それについては企業秘密とさせていただきます。

プロの方であっても安易に真似されないようお願いします。

最後に、住んで7年経った我が家の浴室の状況をお見せします。

↑天井なしお風呂7年目↑

7年の間タイル目地に黒カビが生えたことは一回もありません。天井にもカビというか、浴室天井がないですからね。そもそも掃除しなくて済んじゃいます。

これは住んだ人じゃないと納得できないので、疑いの目で見られます。

天井なくても「身体洗ったりシャワー使えば壁や床濡れるだろ」って突っ込まれますが、

先ほどお話しした通り天井がないことで水蒸気の拡散が早いのであっという間に乾くからカビが生育する時間がないんです。

まだ信じられない！

栃木県でマイホームをご検討の方、モデルハウス見に来てくださいね。

【著者情報】

有限会社ラウレアホーム
代表取締役岡野孝祐

一級建築士・宅地建物取引士・ VOC測定士・第二種電気工事士
一年中半袖で快適に暮らせる「天井の無いお風呂がある家」を造っています
メディア：「となりのスゴイ家」出演

壁断熱工法・屋根断熱工法・自動給水加湿器・3つの特許を取得
趣味：サーフィン・海外旅行・登山・写真・動画編集