ガウディ建築探訪2019カサ・バトリョ編-1

カサ・ミラと同じ「グラシア通り」に建つカサ・バトリョ
19世紀バルセロナの富裕層はモデルニスモという建築を好み、
資産家で繊維業者のジュセップ・バトリョの依頼を受けてガウディはこの建物を造りました。
正確には地味な外観の建物をリフォームしました。
建物正面ファサードを前日夜に撮影したものですが

何という造形でしょう・・・鉄仮面のような鋳造鉄バルコニーの手摺りが目に見えて異様な雰囲気、それはもう頭蓋骨。
暗闇に浮かび上がるそれはもう

ブルジョア階級～！

こんな建物、ガウディにしか造れません。グラシア通りで最も目立ち豪華に見える姿を目指したそうで納得。
バルコニーに目が行ってしまいますが、壁の装飾も素晴らしく「トリビューン」と呼ばれる動物や植物を表現した工作物も付けられています。
入館したのは朝ですが、2Fより上に比べ割と地味な1階入り口でチケットを買って中へ入ります。

玄関ホールは曲面構成の3次元空間。一体、設計図や承認図はどうなっていたのか気になって仕方がありません。
ファンタジー映画に出てきそうな1Fエントランスを通って階段から2階（主階）へ

南側、先程のバルコニー側に面した居室の天井です。豪華な照明器具を中心にらせん状の左官仕上げで作られます。
壁も天井もドアも曲線。唯一平面なのは床だけです。

ここはサロンとして使われていたそうで、屏風のように可動する折りたたみ建具はプライバシーを確保したい時など、
状況に合わせて開閉できるようデザインされたそうです。
ステンドグラスが優しい光を室内に取り込みます。

今回はオーディオガイドが付いていましたが、正直無い方が良いです。日本語に設定できますが僕には期待外れな内容でした。

自然風の取込み。吸気口も手抜きしません。木製のスライド板で通気量を調整できました。
カサ・バトリョの仕掛けで一番感動なのが次の写真

ちゃっかり写ってる私が邪魔ですが（汗）この大きな窓。実は上げ下げ窓なのですが、ガラス面積も大きく、大人が数人でも持ち上げられない重量です。電力を使わず、軽く開けられる方法はないか・・・
ガウディは

滑車の原理

を利用しました。上げ座下窓にワイヤーと滑車が繋がっており、袖壁に隠されたナス型の錘に繋がって
半自動化というか、重さを感じる事無く開閉できるアイデアを取り入れました。
ここは気が付かない（知らない）人が殆どで袖壁をスルー。それもその筈、ガイドブックには書いてないからです
以前、某TV番組でガウディの特集をやっていてそれを覚えていたので

コッソリ開けちゃいました

ありました！でも怒られなかったですよ(^_^;

重量調整用のナス型錘の集合体。こうして実物を目にすると、ガウディの建築に対する本気度を感じますね。
デザインだけでは駄目。日常の使いやすさにも拘って建てる。

天井と壁の繋ぎ目がありません。自然光に暖かい電球色を加えて神秘的な空間を演出。
胸一杯になりながら順路を更に先へ進みます
(宇都宮で新築・リフォームならラウレアホームへ）
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