平屋建てのメリットは?
ラウレアホームでも平屋建てを希望されるお客様が多くなりました。
どうして平屋建てが良いのか理由を聞いてみました
使いやすそうだから
一生、階段上らなくて済むから
といった答えが返ってきます。
平屋建ては僕も大賛成。2階・3階建てに対し、
建設コストが上がる等のデメリットもありますが、メリットの方が多いように感じます。
今回はこの平屋建てのメリットにフォーカスしQ&A方式でブログを書いてみたいと思います。
平屋建てを建てたい人が多く質問する項目を検索し、出てきたものに対し僕の考えをお伝えします。
(今回は平屋建てのメリットに関する質問を拾ってみました)
1・平屋建ての部屋の明るさはどうですか?
平屋建て=1フロア・1階のみの間取りで暮らすということになりますから、
各部屋、廊下や浴室も含め、天井より上に床が存在しないという事になります。
当然、2階・3階で建てた時は1階部分に乗る部屋が存在し、その部屋は吹抜けにはできないので暗くなりがちです。
だからといて平屋だからとても明るとは言い切れません。
2階建ての1階と同じように水平に天井を造ってしまったら窓からの光の入り方は2階建て3階建てと変わらないからです。
平屋建てで部屋を明るくなるようにするには、屋根は陸屋根でなく勾配にして
そのまま天井面を屋根と平行に仕上げ、小屋裏空間を吹抜けにすれば明るくなります。
天窓やハイサイドライトを設置すると更に明るい部屋を造ることが可能です。
(日光市K様邸)
2・平屋建ては将来の老後や介護に適していますか?
1フロアですから、各部屋との間仕切り位置(ドア有無し関係なく)に段差が無ければ将来身体に日常生活で支障が出てしまった時、
バリアフリーにしておくというのは本人だけでなくその人を支える家族も本当に助かります。
車椅子を使う事も想定し、通路幅や開口幅も確保されていると尚更良いと思います。
ここは平屋建ての最大のメリット、といっても良いと思いますが、意外と落とし穴があります。
それは玄関と玄関ステップに段差があること。
せっかく室内に段差がなくバリアフリーなのに、玄関と玄関から庭に出るところはステップになってたら、
足腰が弱ってしまったり車椅子の場合に誰かの手を借りるか場合によってはリフトが必要になってしまう事もあるかも知れません。
平屋で建てるメリットが老後や介護について上位に来るとお考えならば、
そこの段差はなくすべきと思うのです。玄関と廊下の段差は無し。玄関ドアと外のポーチの段差もなし。
(玄関と廊下に段差無し。宇都宮市S様邸)
そこから外に出るアプローチは階段でなくスロープにします。
そうする事で、将来段差については全くリフォームを考えなくてもいいようになります。
新築時に外にスロープが無かったとしても玄関ステップからスロープ化するのはそんなに大事ではありませんが、
玄関ドアの高さを変えるのは大規模リフォームになりますので、室内だけは段差無しを推奨します。
(日光市N様邸)
3・平屋建ての耐震性についてはどうですか?
これについては多層の家に比べ圧倒的に有利ですとメリットしか無いと断言できます。
2016年に起こった熊本大地震の時、数日後益城町に入り被害状況を見させて貰ったのですが、
平屋建てで倒壊している家(半壊はあっても完全に潰れた家)はありませんでした。
階数は関係なく耐震等級3はマストになりますが、それでも防湿がされていない家ならば耐震性能は著しく劣化します。
平屋とはいえ注意が必要ですが複数階の家に比べ安心な理由は
1階を押しつぶすだけの質量が存在しないという事ではないでしょうか。
僕が考える最強の木造耐震建築物は「平屋である」
「屋根が軽いこと=金属板屋根」
「防湿施工がちゃんとされた気密性能を担保している」
この3つになります。
防湿の意味についてはこちらのリンクをご覧ください。
4・平屋建てのメンテナンスについてはどうですか?
家のメンテナンスには大きく分けて建物外部側と内部側に分かれると思います。
長期優良自住宅であろうと経年劣化は避けられませんので、
屋根はそれ程心配無かったとしても外壁には防水目地シールが打たれています。
そこにクラックが入ったり切れたりしますと漏水の懸念が出て来ますので、時期が来ればメンテナンスは必要です。
その時、外部メンテの諸費用で一番お金が掛かる部分が作業足場設置費用です。
2階位上であれば脚立で目地シールの打ち替えは不可能なので足場が必須になります。
ですが、平屋であれば脚立足場で済んでしまう事も多いです。
(日光市K様邸)
メンテナンスに関してもメリットだらけでデメリットは無いに等しいと言って良いでしょう。
5・平屋建ての寒さ対策や断熱性についてはどうですか?
来年4月には建築確認申請にも耐震性についての計算根拠に加え、
断熱性能についても同じように数値を表し根拠の証となる計算書が必須になって来ます。
今日本の戸建て住宅で断熱性能の指標として使われているのが外皮性能、Ua値(ユーエー値)。
日本全体で寒冷地区分された地域に対し定められた省エネ外皮基準をどれだけ達成しているか。
どれだけ性能が良いのか。この外皮=壁の面積、広さによって数値が変化し当然ですが
面積が小さい=外皮面積が少なくなれば熱を逃す面も減っていくので数値も良くなり、
2階建てと同じ床面積だったとしても性能が良いという場合があります。
屋根の形状とかにもよりますので絶対とは言えませんが、
数値だけでなく空気の動く性質から考えても平屋は寒さ対策に有利です。
空気は暖められると軽くなるので上に行こうとする性質があります。
2階建てで2階にある暖房をつけても
1階は暖まらないし
1階の暖房をつけても間取りの設計を間違うと2階しか暖まらないといった現象が良く起こります。
1フロアで暮らすと、この室内上下差が2階に比べ半分になるのでとても効率が良く体感的にも快適になるのです。
ただし平屋とはい暖冷房機の設置ポイントを間違えると全然快適じゃないので注意が必要です。
まとめ
平屋建てと2階建て。バリアフリー、ユニバーサルデザインという観点からも平屋建てが有利になります。
断熱性能というより体感、快適性も平屋の方がいいですね。勿論デメリットもありますが、
挙げてもそれ程無いんじゃないでしょうか?
例えば水害被害が想定される地域であれば緊急避難ができる部屋がある2階建ての方が安心です。
こんなのは稀ですけどね。避難情報が出されたら逃げましょう、で解決です。
平屋建てのメリットをお話ししたので「平屋じゃないとダメなのか?」とツッコミたくなりますよね。
いいえ、実際に50ー60坪の土地に35坪程度の家を建て駐車場に車3台は置きたい、とかになると平屋は無理なんです。
かなり敷地に余裕がないと結局は複数階の家になってしまうんですけど、この平屋のメリットを活かして設計すれば2階建てであっても全く違う、
平屋に近い安心で快適な家で建てる事ができるのです。
階段があるから全くバリアフリーじゃないよね。確かにそうです。
でもそれはお金で解決できるのです。「2階建てでも平屋のようにストレスフリーなフラットフロアで暮らせる家」を建ててきました。
(高根沢町S様邸・ホームエレベーター)
僕が目指しているのは平屋の良いところ(メリット)を取り入れた2階建ての家です。
勿論、平屋でもラウレアホームにしかできない家事楽マイホームが手に入りますよ。
【著者情報】
有限会社 ラウレアホーム
代表取締役 岡野孝祐
一級建築士 ・宅地建物取引士・ VOC測定士 ・第二種電気工事士
一年中半袖で快適に暮らせる「天井の無いお風呂がある家」を造っています
メディア:「となりのスゴイ家」出演
壁断熱工法・屋根断熱工法・自動給水加湿器・3つの特許を取得
趣味:サーフィン・海外旅行・登山・写真・動画編集