地盤調査と基礎設計
今月からスタートする新築工事物件。こちらは現在、既存の建物を解体中でして地盤調査はその後になります。
その次に新築させていただくお客様は、敷地が更地ですので「地盤調査をしましょう」となりまして専門業者さんに依頼をし地耐力を測定していただきました。
スェーデンサウンディング式という調査方法が一般的なのですが、建物が整形(平面的に凹凸がない)の場合は建物の基礎の位置で外周部と中央部、5ポイントを測定します。
こちらの住宅は長期優良住宅になりますので、性能面ではZEHレベルの外皮と省エネルギー性に加え、耐震等級3(去年秋に等級2から3に)で設計・建築されます。
2024年基準の長期優良仕様はローコストのメーカーさんではもう無理になってきていますが、金額も上がり過ぎると選んでいただけなくなるので、基準を満たしつつコストを抑える設計ができるか、が鍵になってきます。
住宅の基礎は土間コンクリートにも構造鉄筋を入れたべた基礎が標準化していますが、そのベタ基礎の前に主流だった
布基礎が見直されてきています
かなり昔の布基礎の場合、土間が土のままだったりするので湿気や害虫の問題があったので、現在布基礎をやる場合は構造用鉄筋の入っていない防湿用のコンクリートを後から打つ形式が多いですね。
多いといっても、ベタ基礎9・布基礎1という割合のようです。(建築専門誌)
布基礎よりもベタ基礎の方が強い。ある意味合ってますが、布基礎が構造耐力上マズい訳ではありません。地盤調査によって十分な地耐力があれば布基礎で良いのです。良いという根拠は
構造計算
建物の荷重から地震力・風圧力まで考慮し許容応力度計算によって安全と判断されれば布基礎で良いのです。むしろ土間コンクリートによる自重も大きく減るので地盤沈下やコストの面でも有利になるでしょう。
でも、ラウレアホームの場合は布基礎にするとシロアリに対し様々な対処をしなければなりません。布基礎の場合、防湿コンクリートを後から打ち込むのですが、打ち継ぎラインに隙間ができると
そこからシロアリが侵入してくる恐れがあるからです。
今、社内の設計部では
このシロアリ対策もできた布基礎仕様ができないか作戦会議をしているところです。
ベタ基礎オンリーだった戸建て住宅に構造計算によって安全が確認された布基礎(シロアリ対策もされた)が増えてきそうです。
簡単にはいかないけど、どうやればできるか?自社にしかできない工法を編み出していく。構造計算をして安全が確認された上で実現可能な基礎工法。
やはり建築って面白い。