正しい加湿の知識その2
さて、ラウレアホームモデルハウスの脱衣室の室温27.3℃相対湿度33%
湿度50%じゃないの?
と思いますよね。ここで重要なのが「体感温度」になります。
温度と相対湿度の関係なのですが、人や動物は
相対湿度によって同じ温度でも暖かくも寒くも感じる
という事です。また湿り空気線図を見て欲しいのですが、グラフの左から右上に向かって伸びる直線に
「エンタルピー」と書かれた目盛りがあると思います。このエンタルピーとは空気総和エネルギーを言います。
その温湿度の時に持つ空気熱エネルギーと捉えてください。
温度に湿度の関係によって身体が感じる指標の事。例えば、夏の蒸し暑さの指標で不快指数がありますよね?
皆さんご存知、温度が同じでも湿度が高ければ人は蒸し暑く感じ不快だというアレです。
冬も同じ事が言え、湿度が高ければ同じ温度でも暖かく感じるのです。それだけ湿度(水蒸気)は住環境で大切なんですね。
理由は簡単で、人は気化熱という状態で見えない汗をかきます。気化熱と一緒に放熱するので体温を一定に保ちます。
夏場にこの気化熱を出せない程エンタルピーが高いと目に見える汗になりますが、放熱効果は下がるので相当不快。
除湿だけでもしてエンタルピーを下げれば、また気化熱の状態で放熱できるので楽になる。
冬場に乾燥していれば水蒸気の状態で汗が奪われ熱も逃げるから寒いのです。保湿クリームを塗ると、その気化熱放出を阻害するから効果があるんですね。
さてエンタルピーに戻りますが、単位は(KJ=キロジュール)冬場に快適だと言われる23℃相対湿度50%からエンタルピー線に向かって線を引きます。
その交点は46KJ。←緑の線と◯、矢印です。
次にモデルハウス脱衣所の27.3℃相対湿度33%(赤い線と◯)を同じようにエンタルピー線へ向かって行くと・・・何と46KJ!
23℃相対湿度50%と27.3℃33%の体感温度は同じ、という事になるんです。
ちなみに暖房だけして加湿をしない状態ですと27.3℃相対湿度22%のエンタルピーは38KJ。全然駄目ですね。
もう一度書きますが、空気を暖めると相対湿度が下がり乾燥するのです。
これからもっともっと寒くなり、外気温マイナス2℃で相対湿度80%だった場合エンタルピーもマイナスで0以下です。それでも室内環境は45KJ以上に保ちたい。
ちゃんと暖まる暖房機に加え小さな加湿機1個あれば45KJなんて楽勝なのですが今の新築住宅には24時間換気装置が備わっていますので、
加湿機で発生させた水蒸気は換気の
排気によってどんどん外へ逃げて行きます。
2時間で1回、家の空気が入れ替わるので加湿機もフル運転状態。
せめて換気によっての水蒸気ロス(湿度低下)に留めたい。
だから家の気密性能が大事なのです
空気気密性能が良いと言うよりは水蒸気ブロックができる事。加湿時に壁体内部結露を起こさず室内の水蒸気を保湿できる家。夏は除湿時外から湿気が入って来ない家。
ところで、加湿の話に戻りますが自分の家で必要な加湿機ってどのくらいの大きさ?タンクの容量は?意外と計算できる人居ませんがちゃんとできます。
それもこのグラフと確認申請書に書かれた換気計算書によって計算できちゃうのですが、このブログでは内緒です。キワードは「絶対湿度」
1時間に必要な水蒸気量が解れば買うべき加湿機と台数も分かります。今建築をお願いしてる設計担当さんはできますか?
「気密が良いと家が腐るから辞めましょう」とか「加湿すると結露するのでなるべくしないように」なんて本気でビルダーが言ってたらプロとして失格だと思います。
安心して洗濯物の室内干しができ加湿機も使える家。ラウレアホームの新築打合せでは湿り空気線図が出てきます。
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