ソニー再生(読書)【社長ブログ】
友人から借りた本です。
崖っぷち企業だったソニーを救った元CEO、平井一夫さんの著書。
よくある武勇伝イケイケ経営者が上から目線で書き綴った内容ではなく
挫折を味わいながらもチャンスを掴み、赤字続きの巨大企業を生き返らせるストーリー。
ソニーといえば、僕も子供の頃から慣れ親しんだ企業で
中学生の時、親に強請って買ってもらったソニーのウォークマンは世界を驚かせた小型カセットテープデッキ。カセットテープよりほんの一回り大きいだけの薄っぺらな筐体です。
プレイボタンを押すと、イヤホンから音の世界が目の前に広がりました。どうやったらこんな小型にできるの?子供ながら感心しましたね。
オーディオビジュアル家電業界を日本の企業として席巻していくのですが、主力製品の液晶TV事業はやがて韓国や中国の激安製品にシェアを奪われ衰退。
持ち歩ける音楽プレーヤーとして牽引してきたウォークマンもカセットからCD、MD、半導体メモリへと媒体を変えつつも、Appleがipodを発売するとそのシェアを一気に奪われます。
Appleの販売戦略は実に見事。キャッチコピーが消費者の心を鷲掴みにします。
ソニーは 64GB 256GB とスペックを売りに商品アピールをしますが、Appleはこうです
1,000曲の音楽をポケットに
沢山録音できるという商品のスペックではなく、「大好きな曲を聴ききれないくらい持ち歩ける」というipodを手にした後の楽しみを想像させました。
僕も買いましたよ、ipod。でも実際聴いてみると音質はソニーの足元にも及びません。
それでもAppleがユーザーを虜にするのは音質ではなく、楽曲を手軽に出し入れできるソフトウェア
itunesの使い勝手
が頗る良いからに他ならないでしょう。ソニーのそれに対する楽曲ソフトは酷い物でした。
そうして僕もいつの間にかAppleユーザーに取り込まれ、やがてそのipodはiphoneに。
その前、既にソニーは衰退していました。
会社をV字回復させるべく、異業種とも言える業界で勝負をかけるソニー。それはゲームでした。
そう、誰でも名前くらいは知っているプレイステーション。初代プレイステーションを手掛けたのが平井さんです。
ソニーとしては未知の分野、ゲーム事業が立ち上がるのですが、これには任天堂の裏切りがあります。任天堂も知らない人はいないであろうゲーム会社。
当時売れまくっていたスーパーファミコンの新モデルの企画をソニーに持ちかけ、メディアスロットとしてCD ROMドライブの部分を委託し、プロトタイプ完成間近でそれをフィリップス(米)に乗り換えるという裏切りをします。
ゲームソフトCD-ROMドライブを開発していたソニーは、平井さんをチームに加え任天堂に蹴られても諦めず
なら自分達でゲーム機を作ろう
と役員達に反対されつつ、それでも初代プレイステーションを完成させます。そして正式リリース。
その後、成功したのかどうかは聞かなくても分ります。
僕の話
ゲームをやらなくなったからと友人から譲り受けた初代プレイステーション。同時にプレゼントしてくれたゲームソフトはグランツーリスモという車(実車を元にデータを作った)のレースゲーム。
正直、こんなの人が作れるのか!?とその時感じた衝撃と感動は今でも忘れられません。
映像も綺麗ですが、それぞれの車が本物宛らの音と挙動。ソニーの持つ技術に圧倒されました。
と、そんな話が沢山詰まった本なのですが
夢を諦めない。企業は人でできている。企業は社会をより良くするために存在する。
を再認識させてくれる内容でした。平井さんの波瀾万丈な人生ストーリーも面白いです。
音楽を聴くのが好きで、iPhoneとAirPodsが定番になっていまいましたが、久々にウォークマンを手にして聴いてみたいと思いました。高すぎて手が出ませんけど(汗)
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