水の都ヴェネチア 01
成田→アブダビ→ローマ→ヴェネチアと3回飛行機を乗り継ぐ事23時間。やっとヴェネチア、マルコポーロ空港に到着しました。
ヴェネチア市内は、自転車バイク含め車の乗り入れが禁止でして空港や駅からのアクセスは船か徒歩で移動する形になります。
ローマやミラノといった他イタリア都市部から電車で来る場合はヴェネチアの玄関口、サンタ・ルチーア駅で下車し水上バスか徒歩で市内中心部へ向かうルートが一般的。
でも空港に着いた場合、サンタ・ルチーア駅までも距離があるので、空港から直接出ている水上バス(ヴァポレット)で向かうのが最短ルート。
という事で、先ずはヴェネツィアのランドマーク、サンマルコ広場へ行くヴァポレットに乗る為乗り場へ行くのですが、噂には聞いていたけど
オーバーツーリズム!
凄い人!!日本人は数名しか見かけませんでしたが、ヨーロッパやアメリカから来たと思われる観光客で乗り場は大混雑。ヴァポレットに乗れる人数も限られているので、どれくらい待つのかも分かりません。ヴァポレットの他に個人水上タクシーも有るのですが片道45,000円と聞くと候補から外れます。
乗り場はノロノロと進む列。やっとヴァポレットに乗れたのは並んでから1時間後。いよいよヴェネチアに向け出港です。今思えば駅まで電車でサンタルチア駅まで電車で行ってから歩いた方が倍早かったです(汗)
そこからまた約1時間乗船でサンマルコ広場乗り場ですが、既に景色は異世界へ。アニメも漫画も内容は知らないのですが、ワンピースのウォーターセブンという架空の街がここヴェネツィアを舞台にしているとか。
漫画好きの人なら堪らないロケーションなのではないでしょうか。ヴェネチア市内を右回りで船は進むのですが、アドリア海をカヌーで進む人、豪華クルーザーで離島に向かう人。水上都市リゾートを楽しむ人達を見ているだけで自分も気持ちが高揚して行きます。
空港に着いてから約2時間30。やっとサンマルコ広場に到着しました。凄い!写真やYouTubeで見た景色が目の前に広がっている!というか写真と全然違う。スケール感も色合いも。
停留所を降りて広がるサンマルコ広場。世界一美しいと言われるこの広場には、サンマルコ寺院と高さ84m、大鐘楼があります。
それから世界で最も古いと言われる喫茶店、カフェ・フローリアンは沢山の人で賑わっています。上の写真、右にパラソルが並んでいる所がカフェ・フローリアン。下(フローリアン前)
広場の写真、手前で花を女性に渡してるのは薔薇の押し売りジプシーです(笑)。「プレゼント!」と言って渡してきて、受け取ってしまうと
金よこせ
と豹変します。
イタリアはスリと押し売りの巣窟。それっぽい輩が声かけて来たら基本、無視でOK。
あぁ、ずっと憧れだったヴェネツィア。ここに立ってるなんて夢みたいだ。
嬉しさと感動で胸が熱くなります。サンマルコ寺院の素晴らしいモザイク画を眺め、予約していた大鐘楼をエレベーターで上がります。
ちなみにスーツケースはローマのFCO空港の預かりサービスに置いてきたので身軽です。
鐘楼からの眺め・・・息を呑む美しさ。なんて素敵な風景なんだろう。何時間見ても飽きない景色。赤茶色に統一された屋根と青い空と海のコントラスト。晴れてくれた事も幸運でした。
この景色を見られる鐘楼の下半分はレンガ積みで造られています。ただ積んだだけってスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリアもそうでしたが、地震が起こらない地域だからこそできる手法ですね。
日本じゃ絶対建てられない。震度1程度で崩れるかも・・・
次にヴェネツィアに来たらやりたいリスト。ゴンドラに乗船。去年は20分80€だったそうですが、値上がりしていて20分90€。1€=170円なので20分で15,300円。高い!でもね、ここに来られる事がそもそも一生で1度あるかないかです。
乗りますよ勿論。料金は一律なので交渉も何もないので、乗ってそれを払うかだけ。ゴンドラに乗りたい理由は、水路をゴンドラで眺めてみたいのと
水中に打たれた木杭と土台の様子が少しでも伺い知れたらというものです。ここで少しヴェネチアの歴史に触れてみましょう。
ヴェネチアは5世紀頃、ゲルマン人に追われたイタリア人が辿り着いた地と言われています。その後、海洋貿易によって繁栄しルネッサンス時代はアドリア海の女王とまで呼ばれました。
そもそもここは潟という、ただ海の中で少し盛り上がった台地があっただけ。ここに居住を決めたイタリア人は周辺の森から木を伐採し、それを無数の杭にして潟に打込みました。
その上に石を積み重ねて基礎を作り、更にその上にレンガを積んで建物を造ったのです。敵に攻め込まれにくい地形を利用し街を築きました。
あまりにも多く打ち込まれた杭は、街を逆さにすると上に森ができると言われています。ここで不思議なのが
木なのにどうして腐らないのか
モノサシ塾でも出て来ますが、腐朽菌によって木が腐るから防湿がとても大事、とまでお伝えする程なのに。
実は、水に濡れ空気に曝されると腐朽菌が発生するのですが、真水であれ海水であれ水に浸かりっぱなしの木は腐らないのです。それどころか、5~6世紀に打ち込まれた杭は炭化を起こし、コンクリートのように強固になっているとか。
近い将来、ヴェネチアは地球温暖化によって沈んでしまう。という人も居ますが実は違います。炭化した強固な地盤・その上に積み上がったレンガ、石でできた建物の重量。
その下の地盤が問題なのです。地下水や天然資源を汲み上げた事で、空洞ができてきてその上の重みに耐えられず地盤沈下を起こしているのです。
だから高潮の時等、ヴェネチア全体が地盤よりも海水面が高くなるアクア・アルタが起こって水浸しになったりするのです。
前置き長くなりましたが、乗りましたよ。ディズニーシーのじゃなく、本物のゴンドラに。
本当にヴェネツィアは細街路と水路で迷路のよう。Google Mapsが無かったら確実に迷子になってたでしょう。この景色、ゆっくり動くゴンドラから僕は建物の基礎ばかり見ていました(笑)。
少しでも木杭の片鱗でも見えればな・・・と期待していましたが見える筈も無く。石積みの基礎部分だけが見えていました。それにしてもこの重量を支えているなんて、木材の鉛直荷重に対する応力って本当に凄いんだなと関心させられます。
曲げやせん断よりも遥かに強い軸方向力。木ってやっぱり凄いのね。お腹も空いたのでご飯です。友人に
ヴェネツィア行くならボンゴレパスタがお勧めだよ
と聞き、早速ソレとイカ墨スパゲッティを注文しました。
イカスミパスタはここヴェネチア発祥だそうです。どちらもメチャ旨!
ヴェネチア編2に続く・・・